高取掛分茶盌二代 鬼丸碧山 作
赤釉大鉢二代 鬼丸碧山 作
高取青釉流し四方花入二代 鬼丸碧山 作
兎香合二代 鬼丸碧山 作
高取掛分釉流し壺二代 鬼丸碧山 作

茶道

客人への「もてなし」とは、日本の伝統文化における第一の構成要素であろう。繊細で癒しのある、詩情豊かな茶の席は、日本的日常生活の象徴の一つである。この共有を形式化した茶の儀式は、日本語で、「茶道(さどう)」「茶の湯(ちゃのゆ)」と呼ばれる。「茶」そのものは、この舞台の一端を担うに過ぎず、日本庭園、花、音楽、そして空間設計全体が大変重要な意味を持つ。しかるべき場所に配置された陶芸品や、生け花、掛け軸、また俳句や庭についての造詣は、茶会を通して深められ、伝えられていくのである。

この単純で素朴な美を、日本語では、「佗(わび)」「寂(さび)」と表現する。その意味するところは、質素かつ単純で余計なものを切り捨てた状態である。この精神のもと、茶会の主(亭主)は茶会を芸術の領域に引き上げるべく、美しい茶器と自らの高度な対応力で客人をもてなすのである。各茶会で使われる陶芸品、つまりは茶盌や水指、花入などの色や形は、亭主によって慎重に選定される。こうして選ばれた品々は精神的意味合いを持って賞されることになる。

小堀遠州

江戸時代の著名な茶人、小堀遠州は、「綺麗寂(キレイサビ)」の流儀に沿って、独自の茶の世界を切り開いた。彼の茶道は、大名家や将軍家の屋敷において、明るく開放的な形式のもと広がっていった。小堀遠州の哲学は、茶道の枠内に停まらず広く応用され、京都御所における茶室の構造や、御所の庭園の形式にまで影響したほどである。こうして彼は、自らの美学を実現することのできる、七つの窯元を開いたのである。